2018.04.04
お知らせ城西短期大学
大学お知らせ(短大内)
2018年度(平成30年度)入学式を挙行しました【城西大学大学院・城西大学・城西短期大学】
入学者数2,033名 ご入学おめでとうございます
2018年(平成30年)4月4日(水)、城西大学大学院・城西大学・城西短期大学 2018年度(平成30年度)入学式を坂戸キャンパスにおいて挙行しました。
学長告辞
城西大学に入学された皆さん、御入学おめでとうございます。本学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。本日は、多数のご来賓とともに、城西大学の2018年度の入学式を執り行うことができますことを、こころよりうれしく思います。また、ご参列のご家族の皆様にも、謹んでお慶びを申し上げたいと思います。
皆さんは今、新しい生活への期待感の中で、あるいは、自分の将来の目標に向けて、やる気満々であろうと思います。もちろん我々教職員も、これからの皆さんの日々が、有意義なものになることを全力でサポートするつもりです。しかし、いくら学ぶ環境やサポートが充実していたとしても、大学での学びの成果は、皆さんが大学をどう利用するかにかかっています。今日はまず、大学で学ぶことの意味を、皆さんに考えていただくために、私の友人である、ある医科大学の教授が、新入生に最初に行う授業の中で、話すことについて、ご紹介したいと思います。
その先生は、臨床医である若い医師が経験したあるできごとを、新入生に紹介するそうです。その若い医師が担当していた、若く美しい30代の女性の患者さんが難病で亡くなってしまいました。
若い医師は、これからの医学のために、その難病の原因をどうしても突き止めたいと思い、ご主人に、亡くなった奧さんのお体を研究につかわせて欲しいと頼んだそうです。
そのご主人は、じっとしばらく考えた後で「わかりました。この病気で苦しむ多くの人々の、お役に立つならば結構です。しかし、一つだけお願いがあります。私の妻に麻酔をかけていただけますか」といったそうです。
みなさんが医師の卵だったら、このときどうするでしょうか。人は死んでしまったら、麻酔をする必要はないのですよと、ご主人に科学的に説明する人もいるかもしれません。あるいは、はいわかりましたといって、麻酔薬を亡くなった患者さんに注射する人もいるかも知れません。
お分かりのように、この問に正解はないと思います。しかし、奧さんを心の底から愛しているご主人に対して、医師は何らかの対応を、とらなければならないのです。みなさんの多くは、医学を目指しているわけではないので、自分とは関係ないことだと思うかもしれません。
しかし、医療に関わる人ではなくても、みなさんが人と関わる仕事をし、生活する中で、答えの見つからない、どうしていいかわからない判断を、自らの責任でしなければならない機会は山のようにあります。今の世の中は、これまで誰も経験したことのない変化に直面しているのですから、なおさらのことだと思います。
私は、大学で学ぶ作業は、こういうときに自分なりの結論を導き出すために土台となるものだと思っています。知識がなければ判断の根拠となる思いは生まれません。また、知識だけで、人々の思いを想像する力のない人には、多くの人を納得させる判断は出てこないとも思います。知識を得ること、そしてその知識は、どのように使うことで多くの人の役に立つのか、常に想像すること、この繰り返しによって自分の判断に磨きをかけることだと思ってください。
これから本学に在籍する中で、皆さんは、大学を出た後に遭遇する、正解のない課題に対応するための準備をすることになります。今日お話しした、大学で学ぶ意味、知識と想像力、は、皆さんが大学で学ぶ意欲を継続する上で重要なことだと思っています。誠実な思考によって体系的に学問を習得し、想像力を駆使して人のために使う、その過程こそが、本学創立者が建学の理念とした「学問による人間形成」の意味するところだと思います。この理念は、50年以上前に創立者である水田三喜男が掲げたものですが、いまの時代を生きる皆さんたちのためにもある言葉だと思ってください。
私たちは、皆さんのチャレンジしつづける学生生活をしっかりと見守りたいと思っています。そして、皆さんには、チャレンジしたものだけが得られる充実感を、学生時代に存分に味わい、確かな自分を確立して欲しいと思います。本学における学生生活を通して、皆さんが、大きく成長し、城西大学を大好きになっていただくことを楽しみにしています。
平成30年4月4日
城西大学 学長 白幡 晶
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