2018.08.01
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 “キカラスウリ、スイレン” の花が咲き、”ウツボカズラ”が青々と茂っています【城西大学 薬用植物園】
 今年は、例年になく梅雨が早く明け、毎日うだるような暑さですが、薬草園では、キカラスウリTrichosanthes kirilowii var. japonica、スイレンNymphaea spp.の花が満開です。また、温室ではウツボカズラNepenthes spp.が青々と茂っています。
 キカラスウリTrichosanthes kirilowii var. japonica(ウリ科)の花(雌雄異株)が咲いています。花弁はまるでレースのカーテンのようです。カラスウリと異なり、葉には光沢があり、果実の表面は黄色なので黄烏瓜です。塊根は生薬、栝楼根(カロコン)といわれ、解熱、止渇、消腫などの作用があるとして柴胡桂枝乾姜湯(サイコケシカンキョウトウ)、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)などの漢方方剤に使われます。デンプンを多く含み、古くは塊根をつぶし、水でさらした後、乾燥させて天花粉に加工し、おしろいの原料、あせもの予防、治療などに用いました。また、若い芽や未熟な果実は、食用としたそうです。花を見るには、朝早くでないと、しおれてしまいます。
 スイレン(睡蓮、スイレン科スイレンNymphaea属)は、約50種が熱帯・温帯に分布する水生多年草の総称で、日本にはヒツジグサ(未草)1種のみが池や沼に分布しています。花が夜は閉じ、昼に咲き、蓮に似た形なので、睡蓮(スイレン)とよばれます。ハスと違って、水面に葉や花を浮かべ、葉は円形から広楕円形で円の中心付近に葉柄がつき、その部分に深い切れ込みをもち、葉の表面に強い撥水性はありません。
 ウツボカズラ(靫葛、ウツボカズラ科ウツボカズラNepenthes属)は、約70種が熱帯アジアに自生する常緑の蔓性食虫植物の総称です。葉の先端に瓶形の袋を下垂、中に消化液を貯え、液中に落ちた昆虫などの小動物を補助的な養分とします。他の食虫植物としては、ハエトリソウ、モウセンゴケ、サラセニアなどもあります。

薬用植物園キカラスウリの花

キカラスウリの花(8月)

薬用植物園スイレンの花

スイレンの花(8月)

薬用植物園alataの捕虫袋

ウツボカズラの一種Nepenthes  alataの捕虫袋(8月)

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