2018.09.14
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“ステゴビル” の花が咲いています。【城西大学 薬用植物園】

秋の訪れとともに薬草園で、ステゴビルCaloscordum inutile (Makino) Okuyama & Kitag.(ユリ科 Liliaceae)の白い花が咲きはじめました。

  ちょっと、可哀そうな名前の植物、ステゴビルが咲いています。本植物は埼玉県では坂戸市入西(白花)と秩父(淡紫色花)の2カ所にのみ、自生の報告があるだけで、埼玉県の天然記念物に指定されています。坂戸市入西(ニッサイ)のものは明治39年(1906年)、入西小学校の校長であった長島伝十郎先生が発見されたそうです。今、入西では新堀の金山神社境内に100㎡ほどのネットフェンスで囲まれた場所にしか残っていません。まさに絶滅の危機に瀕している植物(絶滅危惧Ⅱ類)なのです。本学薬用植物園では、この貴重な植物を後世に残そうと栽培に取り組んでいます。ステゴビルの名前の由来は、ニラやノビルに似てはいるものの、これらに特有のにおいがなく、食用としての利用価値がなかったことによります。ニンニクやネギなどを総称して「蒜(ヒル)」といいますが、本植物は小さくて食用にならないので捨てて利用しない蒜という意味で「捨子蒜」の名がついたそうです。埼玉県坂戸市の「坂戸文化かるた」には“ステゴビル やしろの杜に 白い花”と詠われています。

ステゴビル1

ステゴビル(薬用植物園、 2018.9.13撮影)

ステゴビル2 金山神社

金山神社

ステゴビル3

ステゴビル(白花)

ステゴビル4

ステゴビル(白花)

ステゴビル5

ステゴビル(ステゴビルの由来、入西小学校6年)

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