2020.05.27
薬学部薬学科医療栄養学科薬科学科研究科 お知らせお知らせ(学科内)お知らせ(学科内)お知らせ(学科内)薬学研究科
【薬学部・薬学研究科】栄養学レビュー(Nutrition Reviews の日本語版)に薬学部教員が翻訳した【最新科学 食事性硝酸塩摂取の炎症および免疫機能への影響と心血管系の健康とのかかわり】が掲載されました
Nutrition Reviews 日本語版の『栄養学レビュー』最新刊  特集 硝酸塩摂取と健康:最新知見 が出版されました。その中の、最新科学『*食事性硝酸塩摂取の炎症および免疫機能への影響と心血管系の健康とのかかわり』の翻訳を、城西大学薬学部医療栄養学科の小林 順教授と薬学科の大竹 一男准教授、金城学院大学の薗田 邦博准教授(薬学部医療栄養学科卒業生・城西大学薬学研究科修了生)が担当しました(監修は宮澤陽夫先生)。硝酸塩が豊富な野菜の摂取は心血管疾患リスクを低減することが大規模疫学調査で明らかになっています。つまり、普段の生活の中で、食事の際に野菜を多めに摂取することが狭心症や心筋梗塞の予防・治療につながります。本レビューは、血管の内皮細胞と白血球の免疫反応に着目し、最新の分子メカニズムについても言及しています。

小林 順教授の研究グループは、これまでに野菜に多く含まれている硝酸塩・亜硝酸塩が体内で一酸化窒素 (NO) に還元され、この還元されたNO(もしくはNO関連物質)が、抗動脈硬化作用や抗炎症作用を発揮することで、様々な疾病(糖尿病、高血圧症、肥満症、潰瘍性大腸炎、慢性閉塞性肺疾患、クラッシュ症候群など)の予防・治療に有効であることを示した研究を報告しています。

2020年5月16日に公開された【薬学部・薬学研究科】重症新型コロナウイルス感染症に対する新たな治療薬: 一酸化窒素吸入療法 (薬学科 村田助教との共著)で提言しているように、小林 順教授の研究グループは、吸入したNOガスが重症新型コロナウイルス感染症の治療にも有効である可能性を報告しています。したがって、普段の食事で野菜を多く摂取することは、まだ仮説段階ですが『硝酸塩由来NO(もしくはNO関連物質)が体内で増え、重症新型コロナウイルス感染症の予防にもつながる可能性があるのではないか?』と、我々のグループは考えています。

城西大学薬学部には、食に強い薬剤師を養成する薬学科、薬に強い管理栄養士を養成する医療栄養学科、食品・化粧品・医薬品の産業分野で活躍できる専門家・技術者を養成する薬科学科があります。薬学研究科(大学院)に進学する学生も多く、これまで多くの研究者や大学教員を輩出しています。これからも城西大学薬学部の研究成果について公開していきます。

*原題は、Effect of dietary nitrate on inflammation and immune function, and implications for cardiovascular health 著者は、 Kyle Raubenheimer らの論文の日本語版として出版されました。第28巻第3号 (通巻第108号)女子栄養大学出版部2020年5月10日発行
女子栄養大学出版部 栄養学レビューのページはこちらからご覧になれます。

2020-05-26 20.15.33

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