【医療栄養学科】【クイズ】城西大学薬学部医療栄養学科クイズ！#29【調理】

2020.07.20

医療栄養学科お知らせ

新型コロナの影響で、大学への登校が未だ自粛状態です。そこで、「調理」のクイズ。

前回、かつお節と昆布を使って混合出汁（こんごうだし）を作りました。
写真では、万能漉し器に、キッチンペーパーを敷いて、かつお節を漉して、出汁を取り出しています。出汁のとり方として、一般的に昆布は、水から沸騰するまで加熱する。かつお節は沸騰させてから火を止める、と言われています。出汁は色々な料理で使用されており、とり方次第で、料理の味が変わります。

そこで、問題。かつお節から出汁を作る時、どのくらい加熱したら、美味しいと言われているでしょうか。

１．かつお節を入れて１分間加熱し、３分間静置させ、上澄みを利用する。
２．かつお節を入れて２分間加熱し、４分間静置させ、上澄みを利用する。
３．かつお節を入れて３分間加熱し、５分間静置させ、上澄みを利用する。
４．かつお節を入れて４分間加熱し、６分間静置させ、上澄みを利用する。
５．かつお節を入れて５分間加熱し、７分間静置させ、上澄みを利用する。

200720クイズ1

A.解答はここをクリック

正解は、1番です。

正解の根拠は、吉松らの煮出汁の研究（第４報）鰹節煮出汁の5’-リボヌクレオタイドについて、家政誌, 16, 335 (1965)となります。
こちらの論文では、かつお節に含まれるうま味成分である5’-リボヌクレオタイドの量を測定して、どの程度水中にこの成分が溶出されているかを報告しています。
55年前に最適な出汁のとり方の研究結果が報告されているのは驚きです。

200720クイズ2

こちらの論文のデータをいくつか紹介します。

第１表では、かつお節を入れるタイミングは、沸騰水中、水に加えてすぐに加熱、水に加えて３０分立ってから加熱と３パターン行った結果、いずれにおいて、大差がないことを報告しています。

第２表では、かつお節を加えてから、沸騰させる時間を１分間と５分間で比較したところ、1分間沸騰させた方が、うま味成分の溶出量が多いことを報告しています。

第３表では、かつお節を加えた後の加熱時間と静置時間を比較した結果、かつお節を加えてから１分間沸騰させた後、火を止めて３分間静置させたほうが、うま味成分の溶出量が多いことを報告しています。

我々の普段の生活において、出汁は切っても切り離せない位、一般化しています。時間がないときに市販品を利用することは、手軽でありがたいですが、たまには、自分で出汁をひいてみませんか？
新しい味や発見があるかもしれません。

（「調理」の分野担当）
関口　祐介

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