2020.12.12
研究科 経済学研究科
オンラインの特性をいかした国際講演会を開催しました【城西大学大学院 経済学研究科】

20201211経済学研究科国際講演会

20201211経済学研究科国際講演会

 経済学研究科の本年度第1回オンライン講演会は、国際講演会の形式で開催しました。現在のコロナ禍だからこそオンライン方式で海外の専門家を招き実現することができました。国際講演会のため、英語のみで進行しました。題材もタイムリーで貴重な機会となりました。

開催日:2020年12月11日(金)
講演者:Mr. Deen Dayal Sharma(ディーン・ダヤル・シャルマ先生)
Ex-General Manager, Punjab & Sind Bank, India
Visiting Faculty, SRM University, Delhi-NCR, India
India Certified Indian Institute of Banking and Finance
Insolvency Professional registered with Insolvency and Bankruptcy Board of India
※シャルマ先生は、インドの2つの公的銀行に35年間お勤め後、現在、インド在SRM大学の講師でいらっしゃいます。インドで不良債権処理プロなどの資格をお持ちです。

テーマ:「コロナウイルスと銀行業界 :コロナウイルスがインドの銀行業界に与えた影響」
Coronavirus (COVID-19) and the Banking Industry:
The Impact of Coronavirus on Banks in India
司会: 経済学研究科 教授 増山 隆
会場: オンラインZoomミーティング方式

講義要旨
 インド(人口13.8億人, UN 2019年)は世界第6位の経済規模を持つ国であるが、同時に、世界最大の貧困層を抱えている。しかし、国民による銀行への預金額は141.8兆ルピー(=約198.5兆円)*、製造業への貸出額は約102.2兆ルピー(=約106.3兆円)と順調に積み上がってきた。インドの銀行システムは民間銀行、外国銀行、地方の農村銀行、協同組織銀行もあるが公的機関の銀行が主要な位置を占めている。歴史的に国内産業育成を行ってきたことからインドの銀行が抱える不良債権も2019年には1,200億USドル超と多かったが、コロナ(COVID-19)感染拡大はその増加に拍車をかけた。2020年3月にはNPL(利益を生まない銀行のローン)は、新たに7.5兆ルピー(=約10.5兆円)にも達した。政府と銀行がとった金融再生策は、一方でインドの金融システムの近代化につながるという現象にも繋がってきている。無人口座開設・無人支店、デビットカード等キャッシュレスの進行などが例としてあげられる。 (*インド1ルピー=約1.4円)

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