現代日本は、財政赤字、社会保障、地域格差など様々な問題を抱えている。本書は、本学の経営学部と現代政策学部の財政学を専門とする3名の教員（柳下正和、于洋、青柳龍司）が編著者となり、コロナ禍の中、学部の枠を超えて、共通のテキストを作成するという目的を達成すべく刊行された。はじめて財政学を学ぶ学生たちが、財政や税制の仕組みを学ぶだけでなく、財政学や経済学の基礎的な理論を用いてアプローチし、考えることができるように作られている。本書を多くの学生が手に取って学んでもらいたい。
　本学創立者で大蔵大臣を務めた水田三喜男先生をはじめ、本学は大蔵省にゆかりのある先生方が関係してこられた。編著者らにとっては、本書を通じて、財政や社会、本学との係わりについて学生が考えていくことで城西大学のアイデンティティーを育てていくことも大切にしていきたい思いがある。また、財政や地方財政、社会保障の分野の協同の成果であるだけでなく、今後の共同研究を視野に入れたさらなる研鑽のきっかけとしていきたい。