2022.06.10
薬学科 お知らせ
【薬学科(6年制)】1年生の薬学実習A化学系の最終実験の様子です
 524日、30日の2日間で「有機化合物の分子認識-シクロデキストリンの包接現象」という実験が行われました。1年次の薬学実習A化学系の最終実験です。
 高校までの授業では、馴染みのない「分子認識」、「包接」、「疎水性相互作用」、「非共有結合」、「包接置換」といった用語がでてきました。今回は、食品や医薬品に用いられて、環状オリゴ糖(ブドウ糖から構成)として知られているシクロデキストリンがもつ分子認識作用を理解する実験をしました。
 pH 指示薬として知られているフェノールフタレインとメチルオレンジを用いて、α、β、γ-シクロデキストリンの内部空洞に取り込まれ易さの違いを観察しました。
 この3種類のシクロデキストリンでは、分子の大きさの違いから、内部空洞の広さが異なります。pH 指示薬の分子の大きさにマッチングしている内部空洞の大きさをもつシクロデキストリンはどれか、を見つけてもらいました。

薬学実習A化学系1

本学生さんは、白い実験着越しに、色の変化を観察していました。

薬学実習A化学系2

薬学実習A化学系3

薬学実習A化学系4

 フェノールフタレイン水溶液(塩基性)を用いた結果です。溶液の色の消失具合から、フェノールフタレインが最も取り込まれ易いのは、β-シクロデキストリンであることがわかりました。

薬学実習A化学系5

 メチルオレンジ水溶液(左、酸性)にα-シクロデキストリンポリマー(白い個体)を加えていくと、オレンジ色の溶液が透明になり、白い固体が黄色に変化しました。メチルオレンジがα-シクロデキストリンポリマーの内部空洞に包接されて、その空洞内部は中性に近いということが実験で確かめることができました。
 色が変化する実験は、わかり易いと学生さんから好評でした。

 
 1年生の薬学実習A化学系は、前期の前半で終了して、後半は生物系の実習が開始されます。今後も、城西大学・薬学部・薬学科の実習の実験の様子を報告していきます。

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