2022.10.10
お知らせ
女性を理想化して美を強調した浮世絵美人 浮世絵講座第3回『美人画に恋して~ものがたる浮世絵~』【城西大学水田美術館】
 2022年度に水田美術館が実施する浮世絵講座の第3回を、10月8日(土)に埼玉坂戸キャンパス水田三喜男記念館講堂にてオンラインで開催しました。

 浮世絵を5つの視点でとらえる今年の講座の第3回は、「美人画」の分野。講師には國學院大學教授・国際浮世絵学会理事の藤澤 紫 氏をお迎えしました。

 今回の講演は、浮世絵美人画を観て楽しもう、遊ぼう、という内容。たくさんの浮世絵美人画を読み解きました。
 そうはいっても、まずは美人画という分野についての説明から。美人画とは「一般に、女性を理想化し、あるいはその美を強調して描いた風俗画などを指す」とのこと。大正4(1915)年の第9回文展に「美人画室」がおかれるほどに、美人画は日本画の一分野として確立したのだそうです。続いて、浮世絵美人画を描いた絵師と時代の系譜を概観して、ここから本題です。
 美人画はファッション誌やメイク、ヘアデザインモデルといった要素があり、同時代の出版物と対比しながら「この柄はこれで」「帯はこう結んで」と美人画を観ながら解説。それを踏まえて、藤澤先生を虜にしてしまった鈴木春信、喜多川歌麿、歌川広重などを順にとりあげました。パリコレモデルのようなスタイル、当時の風俗や絵に隠された見どころ、人物の素振りから読めること、似顔としての歌舞伎役者や町娘の比較、さらには現代風の自由な解釈も加えて、美人画を多彩な切り口で楽しみました。水田美術館の収蔵品である美人画もとりあげていただきました。
 講義後には質問がたくさん寄せられ、時間を少々オーバーして終了しました。


第4回オンライン参加のご案内
第4回は11月19日(土)13:30~15:00 太田記念美術館主席学芸員 日野原 健司 先生による「戦う浮世絵 笑う浮世絵 ~武者絵と戯画の世界~」です。
会場参加は締め切りましたが、下記からオンライン参加(zoom)を受け付けています。

申込期限: 2022年11月16日(水)午後4時まで
オンライン参加の受け付けはこちら

 

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