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情報科学研究センター広報


情報科学研究センター広報
- Information Science Research Center News -
2024.5.1 Vol.30 No.1
情報科学研究センター

写真:広報課提供

巻頭言

情報科学研究センター
所長 福田 光良
2023年度に情報科学分野において最も大きな話題となったのは、OpenAIが開発したChatGPTを筆頭とする生成系AIの台頭ではないでしょうか。普段ITテクノロジーに携わらない業界の人々も続々と同サービスに触れはじめたことで、世の中が大きな変革を迎えようとしています。今後も人工知能(AI)は更なる開発が進み、教育部門にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。
生成系AIはその特性を正しく理解した上で利用すれば、高い利便性による学修の効率化が期待できますが、反面、不適切な利用は学修者の成長を妨げるだけでなく、法律に触れ社会的な責任が問われる可能性もある諸刃の剣です。城西大学では生成系AIの利用に際する留意事項を通達し、適切な利用を促しています。
また、学内では坂戸キャンパスの新しい顔として整備が進められてきた新複合棟「JOSAI HUB」(23号館)の2期工事が終了し、9月20日に竣工式が盛大に執り行われました。
「JOSAI HUB」は、鉄筋コンクリート造7階建てで延べ面積は2万2000平方㍍。講義室エリアと研究室エリアのほか、機器分析センターが設置され、大きな庇(ひさし)を備えたゆとりある空間で、多様な学びと協創を育てる新たな学び舎です。
日々学生たちの笑顔にあふれ、勉学や友達との交流の場としてにぎわっています。
さて、情報科学研究センターでは2023年4月より新教育研究システムの運用が始まりました。
更新に際しては、新型コロナウイルス感染症に伴う授業環境の変化に対応すべく「教育のデジタル化(DX)」を考慮し、効果的な教育支援環境の構築を目指しました。
学びの質向上に向けて、デジタル(オンライン)とフィジカル(対面・実地)の長所を融合させた教育環境の構築(ハイフレックス教室改修)、また、教材作成のためのスタジオ機能、統合映像プラットフォーム(Mediasite)を導入しました。
また、情報セキュリティを考慮した取り組みとして、安心で安全なファイル共有環境(Box)の導入、Trend Micro社との包括ライセンス契約締結による教職員・学生の所持する端末へのウイルス対策ソフト(Trend Micro Apex One)の提供を実施し、BYOD環境下のセキュリティ強化にも努めました。
Boxは、すでに教職員を中心に様々な活用方法で利用が進み好評を得ています。
情報科学研究センターは、今後も情報化の推進と、より便利で快適な情報環境の提供に努めてまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

情報教育システム(SCNL2023)の教育効果

現代政策学部

現代政策学部では、コンピュータ関連科目として、2023年度は「コンピュータ・リテラシーA・B」、「プログラミングA・B」、「情報学概論A・B」、「情報セキュリティ論」、「情報通信政策論」、「地域情報化論」を開講した。
「コンピュータ・リテラシーA・B」については、すべての学生に一定レベルの基本的なスキル・知識・モラルを身につけてもらうため、2020年度より学部必修科目となった。また、より効果的なコンピュータ・リテラシー教育を実現するため、2007年度からレベル別クラス編成を導入しており、今年度も引き続き実施した。入学後に「コンピュータの基礎知識に関する確認テスト」をWebClassのテスト機能を使用し実施し、その成績に応じてクラスを分けた。
2023年度も引き続き、前期の「コンピュータ・リテラシーI、A」においては、主にSCNLの利用、Power Point(プレゼンテーションソフト)・Word(ワープロソフト)の基本的な操作方法と機能の修得を目指した。後期の「コンピュータ・リテラシーB」においては主にExcel(表計算ソフト)の基本的な操作方法と機能・利用方法の習得を目指した。前年度と同様に、中学・高校でOffice系ソフトに触れる機会が多かった学生が以前と比べると増えてきており、上位クラス及び中位クラスの一部の学生にとっては、共通の教科書に沿った授業内容では進度が遅すぎる傾向が出てきた。そこで、2015年度より、上位クラスについては、基本操作については共通の教科書を利用したが、より応用的な課題を毎週の授業内で提示して、学生が考えながらそれに取り組むなど工夫を施した。今年度は、より応用的な課題への取り組みを強化し、学部共通の教科書を用いながらも、レベル差に対応できるように改善した。
一方で、コンピュータにほとんど触れたことのない学生もまだ存在しているため、下位クラスについてはできるだけ共通の教科書に沿って、重要な操作を繰り返しレクチャーすることで、ソフトウェアの一定レベルの使いこなしを習得することを目指した。このようにレベル別クラス編成によって、それぞれの学生たちに合わせたコンピュータ・リテラシー教育を実施することができた。また初年次教育を担う「フレッシュマンセミナー」でも学生のPCスキル向上に各教員が努めており、細かやなIT教育が展開されている。
2009年度から導入されたe-learningシステムであるWebClassについては各教員が工夫をしながら活用をすすめてきたが、数年間のオンライン授業の経験を踏まえ、目的や内容に合わせた幅広い活用が見られた。具体的には、すべての授業(講義系・実習系・セミナー系含む)において、資料掲載、出席確認、試験・課題を実施した教員や、試験の正答を試験日翌日にWebClassで公開したり、学生の提出課題を配布資料として他の学生に参照できるようにしたりするなど、学生へのフィードバックを目的とした活用法が挙げられる。オンライン授業だけではなく対面授業においてもWebClass掲示板機能を用いるなどしてアクティブラーニングを展開した。
授業評価アンケートを2017年度後期より一部授業、2018年度より授業評価の対象全科目でWebClassを使用し実施している。さらに、2018年度より留学に関するアンケート調査、留学中のファイル共有についてWebClassを使用し実施した。
また、2021年度より現代政策学部はWebClassの修学カルテを積極的に用いており、学生の修学状況の多面的把握に努めている。
修学カルテの有効活用に関する学部FDも実施し、個人個人の学生に寄り添う形で教育活動を展開できる基盤を現代政策学部では整備している。

理学部

数学科

数学科では、坂戸キャンパス・紀尾井町キャンパス共に情報系科目を多く開設しており、そこではコンピュータを用いた演習が教育の中に取り入れられている。例えば、1年次の専門科目「計算機入門 I・II」では、UNIX やプログラミングの入門的教育を行っている。2年次の「計算機数学 I・II」および「プログラミング I・II(プログラミング IA・IB)」で専門的教育が始まり、3・4年次の「プログラミング IIA・IIB」、「実用アルゴリズム論 A・B」、「情報数学 A・B」、「暗号理論 A・B」、「符号理論 A・B」、「応用数値解析 I・II」、「情報研究 I・II」、「情報システム論I・II」、「数理モデル論 I・II」に続く一貫した情報教育カリキュラムを組んでいる。
また、専門科目の「コンピュータによる統計」、「数式処理による解析」、「数式処理による代数 A・B」では、Excel および統計解析ソフト R を用いたデータ処理や、数式処理ソフト Maple を用いた解析学・代数学のコンピュータ演習を行っている。
具体的な使用例や教育効果をあげてみると、「数理モデル論 I・II」においては、通常教室で行う数値解析の理論的な講義内容を基に、C 言語によるプログラミング実習を実施して、受講生に深い理解と技術の習得をうながしている。
(* 一部科目は片方のキャンパスでのみ開講)
WebClass・Teams は情報系科目に限らず数学科の多くの科目で出席確認、オンデマンド教材・講義資料・授業スライド・演習プリント等の提示、レポート課題の提出、オンライン試験実施などに積極的に活用されている。加えて、Zoom 等のオンライン会議システムによる配信も利用されている。
また、数学科では、新入生対象の「入学前指導」のため、WebClass を利用している。毎年、推薦入試および指定校推薦合格者に対してレポートを課しており、送付したレポート課題や解答用紙を WebClass からも閲覧・ダウンロード可能にするとともに、解答のヒントなども提示している。
また、全新入生に対して、テスト・アンケート機能で微積分の確認ドリルを実施している。レポート提出率は今年度もほぼ 100%で、LMS 導入後は正解率も向上しており、その効果がうかがえる。

化学科

化学科では1年次の「コンピュータ・リテラシーⅠ」を基礎に、2年次には専門科目「情報科学序論」および「コンピュータ入門」でExcelを用いた実験データの処理、3年次には「情報科学Ⅰ」でC++言語入門、「情報科学Ⅱ」でVisual Basicによるグラフィックスプログラミングを学ぶ科目が設置されている。また「物理化学実験」では計算機実験としてExcelマクロを用いたヒュッケル分子軌道法による分子軌道計算ならびに軌道の等高線表示を行っている。このような基礎的情報教育を通して、以下に掲げる4項目の能力を養っている。
  1. 化学の信頼できる情報の所在等を理解し、必要な情報を収集できる。
  2. 収集した情報を整理し、資料作成に適切に活用できる。
  3. 分子構造を描画できる。
  4. 実験データの整理、統計処理、図示ができる。
また、習得した知識および技能を、実際に学生実験のデータ整理やパソコン上で有機化学実験の反応を構造式作図による学習等に活用している。このことにより、情報活用能力の育成とともに、マクロ実験では理解が困難な現象についても理解度が向上する等効果が見受けられる。この他、一般の授業においても、WebClassまたはTeamsを用いた電子教材の提示が行われ、授業の理解度を深める工夫がされた教材により、高度な内容の理解を容易にしている。一部の学生実験ではSDG’sの観点からレポート提出・返却がWebClassで行われており紙資源の節約に寄与している。
4年次の「卒業研究」においては、化学計算ソフトChem3D、Gaussian等を用いた複雑な分子構造の決定や分子間の相互作用の研究、電子・原子・分子の運動のシミュレーションプログラム作成と表示、NMRスペクトル・赤外スペクトル等のスペクトルデータの表示とその解析方法・帰属方法のプログラム作成と活用等に情報機器が利用されている。さらに、「卒業研究」では、卒業研究報告書の作成にExcelやR等のグラフ表示やその他ソフトによる化学構造式表示等で情報機器が活用されている。卒業研究発表会では全員がPowerPointを用いており、プレゼンテーション能力の開発に充分効果がうかがえる。
本年度も一部の講義がリモート講義で行われた。23号館ではWi-Fiの設備およびフリースペースでの椅子・机が整っているため館内で視聴する学生が多く見られた。ただし、Wi-Fi環境に関しては不安定性があり、TeamsやZoomのミーティング中に画面がフリーズすることがあるため改善を望みたい。Wi-Fi6EやWi-Fi7の導入も積極的にお願いしたい。

薬学部

薬学科

本年度も、新型コロナウイルス感染症の対策として、一部の授業や演習では、Zoomを使ったリアルタイム配信やMicrosoft Streamによるオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド授業が実施された。
原則として対面授業を行いながら、登校できない学生のためや、言語学習や小規模グループディスカッションなどで密なコミュニケーションが必要な場合にこれらのオンラインツールが活用された。
授業ではMicrosoft Teamsを使ったレポートの配布と提出、WebClassによる出席管理や課題の提出が行われている。また、薬剤師としての基本的資質を評価する自己評価では、WebClassのe-ポートフォリオ機能とMicrosoft Formsでのアンケート調査が使われた。チーム活動が必要な演習科目では、OneNoteを活用してZoomでのリアルタイムディスカッションを支援している。さらに、Microsoft Teamsは研究室内でのデータ共有や情報交換、教員の委員会活動における教育サポートにも利用されている。
情報科学リテラシーの教育は、主に1年生の前期にある「フレッシュマンセミナーA」で行われており、情報倫理、大学内のコンピュータの利用方法、メールやインターネットの使い方、教育支援システムWebClassの活用方法、ポートフォリオを使った学習記録法などを学ぶ。この後、基本的なWordやExcelの操作について学び、これらのスキルを使っての課題解決やレポート作成が日常的に行われている。選択科目では、2年次に「情報科学」の集中講義で、WordやExcelに加えてPowerPointの使用方法を本格的に学ぶ。
実習における情報機器の活用としては、「薬学実習A・B・C・E」および「薬学総合実習演習B・C」で、実務実習の事前実習を含む各種実習でコンピュータが使用されている。また、5年次には薬学共用試験であるコンピュータベース試験(CBT)の合格が必要であり、今年で14回目がコンピュータ室で実施された。その結果の発表もWebClassを通じて行われた。
また、学外実務実習の管理もWebシステムを通じて行い、学習進捗の入力、実習日誌の入力、教員との連絡もコンピュータや個人デバイスを使用している。さらに、多くの学生が症例検討の発表準備などにコンピュータを活用している。
学生の研究活動や成果発表における情報機器の活用として、まず、6年次の卒業研究では、SASやExcelでの実験結果の集計、Wordでのレポート作成が行われ、全学生がPowerPointを用いてZoomでの発表を実施した。
また、2年次から4年次後期にかけては、国家試験に向けた総復習を目的とした「薬学総合演習A・B・C(Ⅲ)」でWebClassが使用され、知識の定着を確認し、さらにインターネットでの情報収集とPowerPointを使用した発表会が行われている。
くわえて、大学院の薬学専攻生においても、薬探索や薬物治療学などの講義および研究テーマの文献調査、統計処理、グラフ作成、報告書やプレゼンテーション資料の作成に、パソコンが重要なツールとして使用されている。

薬科学科

1年次の「フレッシュマンセミナー」で一通りのコンピュータリテラシーを修得した後、インターネット検索により医薬品、化粧品、健康食品の安全性についてまとめ、PCによりプロダクツを作成してプレゼンテーションを行っている。また、同じくインターネット検索により、企業研究を行い、将来の進路ならびに就職活動へのイメージづくりを行った。本年度は対面でグループディスカッションと発表を行った。
2年次には、薬理学の授業の中で、コンピュータシミュレーションを使用して、薬理作用の理解に利用されている。また、薬科学実習Cでは、実習で得られたデータを表計算ソフトExcelを用いて図表化する事で、使用方法を習得している。
更に、3年次の「薬科学実習E」では、化学物質の分子構造描画ソフトChemOffice + Cloudを用いて有機化学実習を行った。また、自然科学分野のデータ解析に必須である統計解析手法を修得するため、統計解析ソフトウェアのJMP (SAS, Statistics Analysis System) の使用法を学び、実際に実習での実験結果を解析した。3年次の「薬科学実習F」からは、研究室に配属され、卒業実験での研究内容についてプレゼンテーションをした。
4年次には卒業実験として、文献検索、卒業実験論文作成、卒業実験発表媒体の作成・プレゼンテーションなどに、1~3年次に修得した知識技能を駆使して、コンピュータを活用した。卒業実験発表会では、全員が清光ホールでPowerPointを用いてプレゼンテーションを行なった。
その他、学部の講義でもWebClassをとおして講義資料の公開、確認試験、レポート提出を行い、授業アンケートも実施し、各教員へのフィードバックも行なった。本年度の講義は、すべて対面で実施されたが、昨年度利用したWebClassを引き続き活用した講義がほとんどであった。
大学院の講義でもChemOffice + Cloudは化合物の安定性や反応性の計算結果を3次元的にコンピュータ表現するなどの利用をしている。また、最新の病気や薬の情報は活字となる前にインターネットで公開されている場合が多く、コンピュータを使って情報を収集し、Wordを使ってレポートにまとめ上げている。さらに、集大成としての修論の発表会では、全院生が対面でPowerPointを使って発表した。

医療栄養学科

1年次配当の「栄養情報科学演習」の教育目標は『情報の収集、整理、提供を効果的に行えるようになるために、基本となるソフトウェアの取扱いや使用、インターネットを利用した情報の収集、開示、各種データベースの使用法に関する基本的知識と技能を身につけること』である。その目標を達成するたにワープロソフト(Word)、表計算ソフト(Excel)、プレゼンテーションソフト(PowerPoint)、Web閲覧ソフト(Microsoft Edge)、Webmail、WebClassなどの教育支援システムを中心に基本的使用法とその応用を演習により修得している。また、上級学年における栄養計算の基礎を学ぶ目的で「エクセル栄養君」による献立作成と栄養計算の演習も取り入れている。また、専門職としての情報発信の重要性について理解し実践できるための新しい内容を取り入れている。具体的にはhtmlの基礎を学びホームページの作成や、効果的なプレゼンテーションの手法を学ぶと共にPowerPointの動画機能などを使った内容に取り組んでいる。
2年次以降、「栄養情報科学演習」で身につけた基本技能の応用として上位学年配当の「栄養教育論A・B」及び「栄養教育論実習」や「給食経営管理実習」での栄養評価または献立の評価のための栄養計算に活用したり、患者への栄養教育のための情報収集や資料作成の演習に応用したりすることで、実践での応用力も身につけられるよう配慮されている。また、「解剖生理学実験B」では、自ら行なった薬理実験から得られたデータを使って、統計処理(Excel統計)やグラフ作成(Excel)を行ないデータの科学的分析と評価の基礎を学んでいる。
各研究室に配属した4年生の卒業実験や医療栄養学専攻の大学院生の教育研究においても、研究テーマに関する文献調査や実験結果の集計、統計処理や解析(Excel統計やSPSS)、表やグラフの作成(Excel)にパソコンを駆使している。最終的には卒業研究あるいは修士論文発表では全ての学生がPowerPointを使用して、わかりやすい効果的な発表が出来るようになっている。
また、薬学部教員によって作成され、インターネット上で公開されている「食品‐医薬品相互作用データベース」や「抗がん剤と食事の相互作用・禁忌食品データベース」を利用した教育も行われている。データベースの内容を利用した学習もさることながら、教育活動の一環としてMEDLINEなどの医学系論文検索サイトで新たな相互作用の報告を自分で検索して、原書を入手してその内容からデータベースレコードを作成することにも挑戦している。また、薬学部3学科の有志による「薬学部生による「がん患者とその家族に寄り添ったメニューと有益情報」発信のためのWebサイト作成に関する研究」プロジェクトではFigmaを使ってWebデザインを学び、WordPressを使ってWebサイトを構築することにも挑戦している。
これらの作業を通して、情報の利用にとどまらず自ら情報を発信するための知識と技能をも身に付けられている。

短期大学

1. 13号館のPC演習室とその利用状況について

13号館における2023年度のPC演習室を表1に示した。各演習室のPC設置台数とインストールされているソフトウェアは、昨年度と同様である。
表1 13号館のPC演習室の概要(2022年5月現在)
演習室 PCの台数 主なソフトウェア 備考
401 40台 MS Office、Visual Studio PC演習室
403 40台 MS Office、Visual Studio PC演習室
412 20台 MS Office、Visual Studio PC演習室
409 6台 Adobe Premiere、Photoshop マルチメディア室
401、403教室は情報リテラシー教育とデザイン演習などのメディア教育に利用されている。短期大学の授業以外に現代政策学部等の授業にも活用されている。409教室はAdobe Premiereがインストールされているように、映像処理などに特化した教室である。412教室は主にオープンルームとして、短期大学生、別科留学生、学部学生に利用されているが、授業でも利用されることがある。
例年401教室および403教室でMOS検定などのJUキャリアラウンジの各種講座で活用されている。

2. PC演習室を利用した2023年度開講科目とその教育効果について

(1)情報リテラシー教育における活用と効果
PC演習室を利用した2023年度開講科目を表2に示した。短期大学生全員に対する情報リテラシー教育を担っている科目が「コンピュータ演習I・II」である。「コンピュータ演習I」では、はじめに電子メール、WebClass等の利用方法について学び、さらにビジネス文書作成(MS Word)およびPowerPointの操作を学ぶ。「コンピュータ演習II」では表計算(MS Excel)について詳しく学ぶ。「プレゼンテーション演習」では、プレゼンテーション資料を作成し、実際に発表する(PowerPoint)。
表2 PC演習室を利用した開講科目(2022年度開講)
科目名 年次 必修/選択 使用する主なソフトウェア
コンピュータ演習I 1 必修 MS Excel, PowerPoint
コンピュータ演習Ⅱ 1 必修 MS Word, MS Excel
コンピュータ応用演習 1 選択 MS Excel, PowerPoint
初級プログラミング演習 1 選択 Visual Studio
中級プログラミング演習 1 選択 Visual Studio
ビジネスコンピューティング演習 2 選択 MS Excel
経営プログラミング演習 2 選択 MS Excel(VBA)
プレゼンテーション演習 2 選択 PowerPoint
コンピュータ会計 2 選択 MS Excel, Microsoft Edge
デザインの基礎 1 選択 Adobe Photoshop
デザイン演習 1 選択 Adobe Photoshop
映像制作の基礎 1 選択 Adobe Premiere
映像制作演習 1 選択 Adobe Premiere
(なお上記以外でもLAN・Wifiなどオンライン授業に対応した教室では、Microsoft TeamやZoomなど適宜、学習支援に利用している。)
(2)情報専門教育における活用と効果
短期大学における情報専門教育の1つの目的は、「会社の実務で使えるビジネスコンピューティング教育」である。
MOS(Microsoft Office Specialist)検定試験を題材として、主にExcelを用いた高度な表計算能力とビジネス文書の作成能力の向上を主眼としている。
次に、短期大学ではプログラミング言語教育にも力を入れている。コンピュータの操作技能の向上だけにとどまらず、自らがアプリケーションソフトウェアを開発する能力は重要である。
短期大学では、「初級プログラミング演習」および「中級プログラミング演習」を開講している。同演習では、Visual Basicを開発言語として利用し、プログラム開発能力の向上に努めている。卒業後にSE(System Engineer)として就職する学生もあり、その教育効果があると考えられる。今後、ますますこのような専門性をもった短期大学生が社会で必要とされていくことが予想される。
また、2年次開講の「ビジネスコンピューティング演習」では、MS Excelの財務関数など、実務でよく使われる関数について学んでいる。さらに、「経営プログラミング演習」では、Excel VBA(Visual Basic for Applications)を学び、種々のマクロ機能やExcelプログラミングについての演習を行っている。「コンピュータ会計」では、基礎的な会計実務知識の理解と、クラウド環境を利用する会計ソフトおよびCBT試験対策(日商簿記検定等)の演習をしている。
情報専門教育の3つめの柱はマルチメディア教育である。
その中の1つは画像処理に関する教育で、「デザインの基礎」、「デザイン演習」で画像処理の基本的な技能を習得し、具体的な作品の作成を行っている。
2つめは映像処理技能の習得である。「映像制作の基礎」、「映像制作演習」では、学生自らが映像の撮影・編集・書き出しなどの一連の作業を行い、作品を制作しており、映像処理に必要な全ての技能を習得している。
他にプレゼンテーションソフトウェア(PowerPoint)による資料・発表により基礎的技能を習得している。

2023年度センター活動の概要

新教育研究システム(SCNL2023)が2023年4月より運用を開始しました。更新に際しては、新型コロナウイルス感染症に伴う授業環境の変化に対応すべく「教育のデジタル化(DX)」を考慮し、効果的な教育支援環境の構築を目指しました。
具体的には、学びの質向上に向けて、デジタル(オンライン)とフィジカル(対面・実地)の長所を融合させた教育環境の構築(ハイフレックス教室改修)、また、教材作成のためのスタジオ機能、統合映像プラットフォーム(Mediasite)の導入などです。運用開始に伴い、順次、新しくなった演習室環境や今回導入した新機能について、講習会を実施しました。
学生サービスの向上に向けた全学的なDX化、具体的には学生課が進める証明書のコンビニ発行や、教務課が進めたアプリ「城西ポータル」導入のサポートも行いました。
また、2024年度より開講される「全学共通基盤科目」の評価方法として、WebClass内で学習目標の達成度を判定するルーブリック評価を可能とした「JUポートフォリオ」の構築にも着手しました。

ハイフレックス授業が可能な清光会館3F 301演習室

教育研究システム(SCNL2023)新機能紹介

1.統合映像プラットフォーム(Mediasite)の導入
Mediasiteでは、WebClassを通じて教員自身が作成した動画コンテンツ等をアップロードし、My Mediasite(自身の所有するコンテンツを管理するためのポータルサイト)で管理することができます。学生はWebClassからシームレスにアップロードされた動画コンテンツを視聴することができます。
同時に導入されたMediasite Mosaicは、自身のPC上でカメラやマイクを使用して2画面の動画コンテンツを作成することが可能なPC用アプリケーションです。作成したコンテンツは自身のMy Mediasiteに自動的にアップロードされます。
また、Mediasiteは管理されているコンテンツについて、多角的な分析が可能です。コンテンツの再生数、時間毎の視聴率、ユーザー毎の視聴回数・視聴範囲などをグラフィカルに確認できます。また抽出条件を指定してレポートを出力する機能も備えており、ユーザーの視聴状況の正確な把握を可能にします。
2.オンラインストレージサービス(Box)の導入
いつでもどこからでも個人が所有する端末からのファイル保存や容易なファイル共有を実現でき、かつ高いセキュリティ性を備え国内外の政府機関でも導入されている、安心で安全なファイル共有環境「Box」の提供を開始しました。すでに教職員の利用も多く、高評価を得ています。2024年度からは学生に対しても本格展開し、授業等での活用を見込んでいます。

3.ウイルス対策ソフトウェアの導入
2021年度より新入生へのPC必携化を進め、Microsoft365包括ライセンスによるOffice製品や各種アプリケーションの提供を進めています。
本年度からはBYOD環境の更なる整備の一環として、Trend Micro社と包括ライセンス契約を締結し、教職員・学生が所有するPCにウイルス対策ソフト「Trend Micro Apex One」を提供することでセキュリティ強化に努めました。

新入生へのPC販売の継続

2021年度より実施している新入生へのPC販売を2023年度も継続的に実施しました。

上図の通り、新入生の約半数が推奨PCを購入しました。
アンケートの実施により、2023年度に新入生が購入したパソコンに関しての満足度と活用状況を調査し、購入者の9割弱が十分に活用していることを確認しました。

満足度調査結果

授業活用調査結果

利用状況調査結果

教育研究システム演習室利用状況

2023年度の更新に伴い、一部演習室のPC数に違いがありますが、各演習室の稼働時間は増加しました。
対面主体の授業に戻り、ゼミなどでも演習室が使われたことが要因と推測します。

WebClassアクセス状況

ICTを活用したオンライン授業も新型コロナウイルス感染症対応の収束に伴い対面授業に切り替わりました。
また、2023年度よりセメスター制に移行しカリキュラム体制も見直されたこともあり、アクセス数・教材数ともに昨年度に比べ減少傾向にあります。

WebClassへのアクセス数の推移

学部別の提供された教材数

基盤ネットワーク整備

学内のWi-Fi環境に関しては、毎年、電波状況の悪い場所にAP(アクセスポイント)を増設して環境改善に努めてています。
ただし、接続の安定性に関しては利用者の端末の設定やAPとの位置関係などに依存することもあるため、接続を安定させるための対処方法の周知も実施しています。
学生のみなさんがより一層アクセスしやすく、教職員がより一層効率的に業務を成せる環境を提供したいと考えます。

新入生情報セキュリティテスト 実施状況

対象:2023年度新入生
集計期間: ~ 2024/2/16
問題形式:WebClassを利用、三択式、全20問
80%以上正解で合格

教職員情報セキュリティ 理解度報告書

近年、情報の漏えい、不正アクセス、破壊、改ざん、また、誤操作等によるシステム障害が後を絶ちません。このような被害に遇わないためにも、教職員及び学生のみなさんに対しても日頃より情報セキュリティの必要性・重要性への意識を高める取り組みが重要となります。
以上のことから組織全体の情報セキュリティ知識レベルの向上を目的に、日本ネットワークセキュリティ協会による情報セキュリティ理解度チェックを教職員へ実施いたしました。

受講期間:2023年10月16日(月)~11月10日(金)まで

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