マーケティングコミュニケーションとは?種類や目的、身近な例を紹介
マーケティングコミュニケーションという言葉は聞いたことあるけど、実際どんな意味なのかわからない、、、そんな方も多いのではないでしょうか?
今回はマーケティングコミュニケーションについてわかりやすく解説していきます。
マーケティングコミュニケーションは私たちの日常生活に密接に関わるもので、興味深い話題がたくさんあります。
それでは、本題に入りましょう!
もくじ
マーケティングコミュニケーションの意味とは?
「マーケティングコミュニケーション」、少し難しそうな単語ですよね。ですが、この言葉が示しているのは、日々私たちが接している非常に身近な現象なのです。
具体的には、マーケティングコミュニケーションとは、企業が私たち消費者に対して商品やサービスの情報を伝え、興味を引くための一連の活動を指します。
新作のゲームの広告を見て「これは面白そう!」と思った瞬間や、お気に入りのスニーカーブランドが新色を発売すると知って「あれ、欲しい!」と感じたとき、それこそがマーケティングコミュニケーションの成果なのです。企業は私たちが自らの商品やサービスを求めるように、様々な工夫をしているのです。
マーケティングコミュニケーションの目的とは?
企業がマーケティングコミュニケーションを行う目的とは、まずは自分たちの商品やサービスを多くの人に知ってもらうことです。そして、その商品やサービスに興味を持ってもらい、最終的には購入してもらうことなのです。
これがうまく行けば、当然企業の売上は上がりますし、ビジネスはさらに発展します。だから、マーケティングコミュニケーションは企業にとって、とても重要な活動なのです。
さらに、このような活動を通じて顧客との良好な関係を築くことができれば、その顧客がリピートして商品を買ってくれたり、その人の口コミで新たな顧客が増える可能性もあります。これもまた、マーケティングコミュニケーションの大きな力の一つといえるでしょう。
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マーケティングコミュニケーションの身近な例
マーケティングコミュニケーションの例としてよく引き合いに出されるのが、AppleによるiPhoneのマーケティング戦略です。
Appleは、iPhoneのデザインや機能をプレスリリースやプレゼンテーション、さらにはテレビCMなどを通じて魅力的にアピールしました。そして、その結果、世界中の消費者に対して新しい価値を提供し、成功を収めました。
これにより、多くの人々がiPhoneに興味を持ち、購入に至るようになったのです。その結果、iPhoneは大きな市場シェアを獲得することができました。これこそが、マーケティングコミュニケーションの力を見事に示した例といえるでしょう。
マーケティングとデジタルマーケティングの違い
マーケティングとは、市場のニーズを探り出し、製品やサービスとその販売に関連する様々なプランを設計する一連の活動のことです。広告やプロモーションなど、商品やサービスを多くの人に知ってもらうための活動が、これを具現化するマーケティングコミュニケーションという一部分となります。
最近では、消費者がスマートフォンで情報を得たり、購入をしたりすることが一般的になった結果、デジタルマーケティングという分野が急速に成長しています。デジタルマーケティングとは、SNSやウェブサイト、アプリなどで得た購買履歴や閲覧履歴などのデジタルデータを活用したマーケティングのことを指します。
このデジタルマーケティングの台頭により、デジタルデータを活用したマーケティングコミュニケーションもますます注目されています。これこそが、現代のマーケティングコミュニケーションの新たな一面といえるでしょう。
マーケティングコミュニケーションの種類や手法
ウェブ上のマーケティングが現代の主流となりつつありますが、それだけが全てではありません。
ここでは、皆さんが日常生活で頻繁に接触しているであろう、伝統的なマーケティングコミュニケーションの手法を詳しく解説します。
①広告 (TV、ラジオ、新聞、雑誌)
まず考えられるのが広告(CM)です。広告とは、企業が自社の商品やサービスを広くアピールするためのマーケティングコミュニケーション手法で、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などの多種多様なメディアを活用します。
テレビ広告は、視覚と聴覚を同時に刺激することで、視聴者に強烈な印象を与えることが可能です。色鮮やかな映像と、心に響く音楽やナレーションによって、商品の魅力を伝えます。
一方、ラジオ広告は、視覚情報がない分、音声だけでその魅力を伝えることが求められます。効果的なコピーと、聞き手の心を動かす音楽や声のトーンで、リスナーの興味を引くのです。
新聞や雑誌の広告は、情報量の多い文字とともに、鮮明な写真やイラストを使って読者に向けて情報を伝えます。静かな時間を過ごす読者に対して、じっくりと商品の詳細を伝えることが可能です。
これらの広告は、広範囲にわたり多くの人々に商品やサービスを認知してもらうのに、非常に効果的な手段なのです。
②セールスプロモーション
セールスプロモーションとは、商品やサービスの購入を促すための様々なマーケティングコミュニケーション手法のことです。具体的には、クーポンの発行、セールの実施、プレミアムの提供などがあります。
クーポン
クーポンは、商品の購入価格を割り引くことや、次回購入時に使える特典を提供することで、消費者の購買意欲を刺激します。特定の商品の試用を促すためや、リピート購入を促すためによく用いられます。
セール
セールは、商品の価格を期間限定で下げることで、消費者に急いで購入する動機を与えます。年末の大掃除時期や夏のクリアランスなど、特定の時期にセールを実施することが一般的です。
プレミアム
プレミアムは、特別な商品やサービスを提供することで、消費者の満足度を高める手法です。例えば、限定版の商品や、購入額に応じたプレゼントなどが該当します。
③パブリックリレーションズ (PR)
パブリックリレーションズ、これをもっと短く言うと「PR」、これは企業が自分たちの良いイメージをみんなに伝えるためにする活動のことを言います。企業の目標は、自分たちの商品やサービスを信じてもらうこと。つまり、みんなから「この企業は信頼できるね!」と思われることなんです。
PR活動の「事例」って何があるの?と思うかもしれませんね。たとえば、新しい商品ができたときの発表会や、企業がうまくいったことを新聞やテレビに伝えるニュースリリースの発行、また、社会に役立つ情報を提供することなどがPR活動に含まれます。
さらに、企業が社会に対して何か良いことをする活動、これを「社会貢献活動」や「CSR(企業の社会的責任)」といいます。これらもPRの大切な一部です。なぜなら、これによって企業は「信頼できる」と感じられ、社会的な価値を上げることができるからなんです。
④イベントマーケティング
会社が展示会やセミナー、試飲会などのイベントを開いて、お客さんに直接自分たちの商品やサービスを見てもらったり、体験してもらったりする方法のことです。
こういったイベントで、商品やサービスを直接体験してもらうことで、「あ、これいいな」と思ってもらったり、「なるほど、こんな感じなのか」と深く理解してもらうことができるんです。たとえば、新しい飲み物の試飲会や、新しいサービスのデモンストレーション(実際に使ってもらうこと)がこれにあたります。
また、イベントっていうのは、会社とお客さんが直接話すことができる大切な機会でもあります。会社は、お客さんから直接反応をもらうことができるから、それを元に商品やサービスをさらに良くすることができるんです。
そして、この「イベントマーケティング」は、会社のイメージ作りにも重要なんです。カラフルで目立つブースデザインや、楽しい体験を提供することで、参加者にいい印象を与え、会社のブランド価値を上げることができます。
デジタルマーケティングの種類
近年、企業の商品やサービスの販売促進、認知度拡大を図るために、デジタルマーケティングは欠かせないものとなっています。
ここでは、主なデジタルマーケティングの種類や手法をいくつかご紹介します。
①SEO対策を活用したウェブマーケティング
ウェブサイトは、企業や商品の情報をインターネット上で広範囲に発信する手段です。そのため、多くの人にウェブサイトを訪れてもらうためには、検索エンジンで上位に表示されることが重要です。これを実現するための方法が、SEO(検索エンジン最適化)です。
SEOの主な要点としては、適切なキーワードの選定やウェブページの構造化、そして何よりもコンテンツの質を高めることが挙げられます。キーワードはユーザーが検索エンジンに入力する語句で、これにマッチしたウェブサイトが上位に表示されます。また、ユーザーにとって価値のある情報を提供する高品質なコンテンツを作ることで、ウェブサイトへの訪問者が増え、検索エンジンからも評価されやすくなります。
②コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、どういうものでしょうか。これは、面白い記事や動画、見やすい図表(インフォグラフィック)などを作って、それを皆さんに見てもらうことで、商品や会社を好きになってもらい、最終的には商品を買ってもらうという方法です。
例えば、会社が扱っている商品に関連するユニークな知識や楽しい情報をブログで紹介したり、商品の使い方を動画で解説したりします。これにより、皆さんが商品を理解しやすくなり、興味を持ってもらえるのです。
③SNSマーケティング
次に、SNSマーケティングについて解説します。これは、FacebookやX(Twitter)、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディアを使って情報を発信し、フォロワーとの関わりを深めることで、商品や会社をより知ってもらう方法です。
例えば、新商品の紹介やイベントの告知をSNSで行ったり、フォロワーからの質問に直接回答したりします。これにより、皆さんと会社との距離が近くなり、商品について興味を持ってもらえるのです。
④メールマーケティング
最後に、メールマーケティングについて解説します。これは、皆さんがよく使うメールを通じて、商品やサービスに関する情報や、割引などの特典を直接お伝えする方法です。
具体的には、新商品の情報や、皆さんが興味を持ちそうな情報をメールでお送りします。このメールを開けば、皆さんは最新の情報や特典をすぐに手に入れることができます。さらに、メールの開封率やクリック数を見ることで、どのメールが皆さんにとって有益だったのかを把握し、次に活かすことも可能です。
⑤オンライン広告 (バナー広告、リターゲティング、検索広告)
インターネットを使った広告、つまりオンライン広告について解説します。皆さんがネットサーフィンをしているときに、ウェブサイトの上や横に出てくる広告を見たことはありませんか?これがバナー広告です。これにより、色んなウェブサイトを通じて商品やサービスの情報が広く伝えられます。
また、「リターゲティング広告」は、一度商品のウェブサイトを見た人に対して、その商品の広告を再度見せる手法です。これにより、見て興味を持ったけどその時は買わなかったという人が、再度その商品を思い出して購入することを促します。
そして、「検索広告」は、皆さんがGoogleなどの検索エンジンで何か調べるときに上の方に出てくる広告です。ここに広告が出ると、多くの人がその情報を見ることになりますので、広告効果は非常に高いのです。
⑥動画マーケティング (YouTube、Vimeo)
次に、動画マーケティングについて説明します。これは、YouTubeやVimeoといった動画共有サイトを使って、商品やサービスの魅力を皆さんに伝える方法です。
動画は、音や映像を通じて商品の魅力を分かりやすく伝えることができます。例えば、新商品の紹介動画を作ってYouTubeにアップすれば、その商品を使っている様子や商品の詳細を、皆さんに直接見てもらうことができます。これにより、商品について深く理解してもらい、興味を持ってもらえるのです。
⑦アフィリエイトマーケティング
アフィリエイトマーケティングという言葉、皆さんは聞いたことがありますか?これは、自分のウェブサイトやブログなどで特定の商品やサービスを紹介し、その紹介から売り上げが発生したときに、紹介者である自分にも一定の報酬がもらえる仕組みのことを指します。
例えば、あるブロガーが自分のブログで、おすすめの本を紹介し、その紹介リンクからアマゾンなどのオンラインショップで本が売れた場合、そのブロガーは紹介報酬として一定の収入を得ることができます。これにより、ブロガーは自分の情報発信を続けるモチベーションを保ちながら、企業側は商品の宣伝と販売を行うことができます。
⑧インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングというのは、ある商品やサービスを、SNSやブログなどで多くのフォロワーを持つ人、つまり「インフルエンサー」に紹介してもらう手法のことです。
皆さんもYouTubeやInstagramなどで、お気に入りのインフルエンサーが自分の好きな商品やお店を紹介しているのを見たことがあると思います。インフルエンサーは多くのフォロワーから信頼されているので、彼らが商品を推奨するとそれが直接商品の認知度アップにつながります。また、インフルエンサーが自分のライフスタイルや好みに合わせて商品を紹介することで、商品に対する興味や理解を深めることができます。
マーケティングコミュニケーションを身につける方法
マーケティングコミュニケーションのスキルを身につけるための方法としては、いくつかの選択肢があります。一つは、その知識を深めるための書籍を読むことです。市場には、マーケティングコミュニケーションの基本から専門的な話題までをカバーした書籍がたくさんあります。読むことにより、理論的な知識を身につけることができます。
次に、オンラインで提供されている教育コンテンツや講座を利用するという選択肢もあります。これらのプログラムは、自宅からでもアクセスすることができ、自分のペースで学ぶことができます。特に、ビデオ講座やウェブセミナーは、視覚的に理解しやすいので効果的です。
さらに、インターンシップやボランティア活動を通じて、現場の経験を積むことも重要です。これらの活動を通じて、実際のビジネスの現場でマーケティングの仕事を体験し、実際の業務を通じて学ぶことができます。理論だけでなく実践的な経験を積むことで、マーケティングスキルをより深く理解し、確実に身につけることができます。
マーケティングコミュニケーションを学べるのは何学部?
マーケティングコミュニケーションを学べる学部は多岐に渡ります。主に、経済学部、経営学部、商学部がその中心になりますが、情報学部やコミュニケーション学部、メディア学部などでも、マーケティングコミュニケーションについて学ぶことができます。
これらの学部では、商品やサービスの価値を顧客に伝えるための広告やプロモーションの基本的な理論から、最新のデジタルマーケティング手法まで、多岐にわたる知識を習得することができます。また、インターンシップなど実践的な学習の機会を通じて、マーケティングコミュニケーションの現場で使用されるスキルも身につけることができます。
マーケティングコミュニケーションを学んだ後の就職先は?
「大学でマーケティングコミュニケーションを学んだけど、どんな業界や仕事に活かせられるの?」と思う学生の方も多いかと思いますが、マーケティングコミュニケーションを学んだ後の就職先は多岐にわたります。
以下では、マーケティングコミュニケーションを学んだ先に考えられる就職先や仕事の一例をご紹介します。
①広告代理店やマーケティングコンサルティング会社
広告代理店やマーケティングコンサルティング会社は、企業やクライアントの広告やマーケティング活動をサポートする専門家集団です。彼らは企業の商品やサービスを広告やプロモーションを通じて魅力的に紹介し、人々の興味や関心を引きます。広告キャンペーンの企画や制作、市場調査や競合分析など、広告やマーケティングに関わるさまざまな仕事を行います。
②企業のマーケティング部門
企業のマーケティング部門では、自社の商品やサービスを効果的に広めるための戦略を考えます。マーケティング部門のメンバーは、市場調査や顧客ニーズの分析を行い、企業のブランドや商品の魅力を広めるための広告キャンペーンやプロモーションを企画・実施します。また、競合他社の調査や市場のトレンド分析も行い、企業の競争力を高めるための戦略を立てます。
③デジタルマーケティング関連企業
デジタルマーケティング関連企業は、インターネットやデジタルメディアを活用して広告やマーケティング活動を行う会社です。ウェブ広告やソーシャルメディア広告、検索エンジン広告など、デジタルチャネルを使って企業の商品やサービスを広めます。彼らはデジタルマーケティングの知識やスキルを持ち、広告の効果を分析したり、ターゲットオーディエンスに合った広告戦略を立てたりします。
④スタートアップ企業
スタートアップ企業は、新しく設立された成長企業を指します。スタートアップ企業では、マーケティング部門のメンバーは企業の成長をサポートするために幅広い業務を行います。彼らはマーケティング戦略を策定し、ブランド戦略や商品のプロモーション、顧客獲得のための戦略実施などに携わり、
新しい市場や顧客の開拓も重要な仕事です。マーケティング部門のメンバーは、競合分析や市場調査を行い、ターゲットオーディエンスを理解して効果的なマーケティングキャンペーンを展開します。また、顧客のフィードバックやニーズを受け入れ、商品やサービスの改善に取り組むことも重要です。スタートアップ企業では、マーケティングの柔軟性と創造性が求められるため、新しいアイデアや斬新な手法を取り入れることができる魅力的な環境です。
まとめ
今回は、マーケティングコミュニケーションとその手法について解説しました。
伝統的なマーケティングコミュニケーションの手法からデジタルマーケティングまで、さまざまな手法がありますが、これらをうまく組み合わせることで、効果的なマーケティング戦略が立てられます。
マーケティングの世界は知れば知るほど、奥が深い世界です。
皆さんも生活の中で、マーケティングについて意識してみると、新しい発見や発想が生まれるかも知れませんね。
田部 渓哉
・城西大学 経営学部 マネジメント総合学科 助教
・商学修士 ( 2011年09月 早稲田大学 )