水田美術館は、11月19日(土)に浮世絵講座「戦う浮世絵 笑う浮世絵-武者絵と戯画の世界」を 水田三喜男記念館講堂を会場に開催しました。
9月から始まった浮世絵講座の第四回目となる今回の講座は、「武者絵」と「戯画」をテーマに日野 原健司先生(太田記念美術館主席学芸員)にご講演頂きました。
まずは一つ目のジャンル、武者絵についての話から始まり、江戸時代後期頃に人気画題となった武者絵が、実は菱川師宣の浮世絵初期の頃からも描かれていた事を述べられ、特に人々からの注目を浴びる事となった歌川国芳の武者絵を中心に、明治期の月岡芳年まで様々な武者絵作品を3つあげた鑑賞ポイントに沿ってお話されました。
続いて二つ目のジャンルとなる戯画については、武者絵でも名を馳せた歌川国芳がやはりこちらも得意としていたと述べられ、可愛い動物たちや器物を擬人化したもの、たくさんのものを集めて何かを形づくったもの、影絵や文字絵、世相を皮肉るものといったヴァリエーションに富んだ、笑いとユーモアに満ちた戯画の世界を豊富な画像とともにご紹介されました。
ダイナミックで迫力ある武者絵と、面白く可愛らしい戯画の魅力がたっぷり伝わるお話に参加者も耳を傾け、質疑応答においても多くの質問が出されるなど充実した時間となりました。
また、講座終了後には、ミニワークショップ「武者絵で卓上カレンダーをつくろう」も楽しんで頂きました。
日野原 健司氏(太田記念美術館主席学芸員)