昨年当館所蔵となった収蔵品を2回かけてご紹介する「2018年度収蔵 新収蔵品展」の第二弾を開催します。
「楊洲周延《時代かゞみ》全点展示」と題し、明治29年(1896)から翌30年にかけて制作された明治の浮世絵師、楊洲周延による美人画の代表作《時代かゞみ》大判錦絵53枚揃い全点を前期後期に分けてご紹介します。
本作は、建武時代から明治半ばまでのおよそ500年間の長きに渡る、各時代の美人の姿が当時の髪型と装いで描かれていて、美人の変遷を辿ることができます。画面下段に美人図を配し、上段には該当する時代に流行していた芸能、文化、職業、行事等が描かれており、美人像の変遷を見つつ、歴史の移り変わりも同時に確認することが可能です。墨を主色に、控え目に描かれた上段とは異なり、下段の美人図は鮮やかな色彩が用いられ、華やかに表現されています。
本展では、目録1枚、附録2枚を前後期通して展示し、前期では建武から安永までの25枚、後期では安永から明治半ばまでの25枚をご紹介していきます。中世から近代までの歴史を振り返りながら、美人画の流れもお楽しみください。