日本におけるポスターの登場は、19世紀末に欧米から商品とともに宣伝物として流入したのが始まりと言われています。多色石版印刷によって制作された海外の美麗な大判ポスターに日本人は魅了され、国産化に着手、明治後期頃には日本人による初期ポスター作品が誕生しました。
日本のポスターの歴史を考えた場合、その源流を、浮世絵や引札、絵暦などに求めることができます。実用的な広告印刷物でありましたが、時代が下ると次第に鑑賞に耐え得る芸術性が加えられていき、芸術作品としての価値を高めていきました。本展では、名古屋に本社を構え、創業123年を迎える酒類販売の老舗会社、株式会社サカツコーポレーションが所蔵する「サカツ・コレクション」500点を超える中から、引札をはじめ、明治・大正・昭和までのポスター70点を厳選し前期後期に分けてご紹介します。
その他、当館および本学水田記念図書館所蔵の引札、ポスターも併せてご覧頂きます。
本展を通し、日本の広告芸術の歴史を知るとともに、それぞれの時代の美人像や風俗、世相を反映した魅力溢れるポスターの世界をお楽しみ下さい。