構成とデッサンを基本とする近代西洋画の技法と伝統を踏襲しながらも、1970年代初頭のパリでの勉学から帰国してからは、日本の風景を描くことに専念し、風景画の新しい境地を開いていった橋本博英は、自ら「描くことによって人格を磨き、その人格が絵を描くのだ」と語っているように、自然をつぶさに眺めその中で心を澄ませていくことによって、既成の風景画を超える世界を描き出すその造形表現で、西洋油絵画の伝統をも超えた、近代日本風景画の一つの到達点を作り出しています。
この度、城西大学水田美術館の開館を記念して、本学校法人が所蔵、管理する作品を中心に展覧会を開催いたします。光と影、爽やかな風までも感じさせる、光と風のシンフォニーともいうべき橋本博英の油彩画の魅力をお楽しみください。