薬学部医療栄養学科の教員が2つの国際医学誌の特集編集者として、それぞれのテーマで世界中の研究者から研究成果を募集
1.虚血/再灌流傷害のメカニズム解明と治療法の開発(The Mechanism and Treatment of Ischemia-Reperfusion Injury in Current Issues in Molecular Biology)
虚血は心臓、脳、腎臓、肝臓、骨格筋等の臓器への血液を介する酸素の一時的供給制限によって引き起こされます。低酸素または無酸素に陥った臓器への血流の再開(再灌流)は、逆に酸素毒性(酸化ストレス)による細胞死を引き起こし、場合によっては死に至ることがあります。再灌流後の酸化ストレスは、細胞膜崩壊、ミトコンドリア機能不全、更には白血球の活性化やサイトカインの放出等の炎症反応を起こします。最近は、虚血/再灌流傷害に効果的な薬剤等が開発されていますが充分な治療法の確立には至っていません。この特集では、分子生物学の観点から、虚血/再灌流傷害の病態、動物モデルの開発、新しい薬の開発に焦点を当てた研究論文や総説を募集します。
詳しくは以下のリンクより確認いただけます。
https://www.mdpi.com/journal/cimb/special_issues/8LZ1U28ET5
https://www.mdpi.com/journal/cimb/special_issues/8LZ1U28ET5
2.食事性硝酸塩と健康(Dietary nitrate and metabolic health in International Journal of Molecular Science)
一酸化窒素 (nitric oxide:NO) は、NO 合成酵素によってアミノ酸のL-アルギニンと酸素から体内でつくられます。また野菜等食べ物の中の硝酸塩も、胃酸の働きによりNOの供給源となって胃や全身で血管保護等のはたらきをしています。最近の研究では、このNOが健康維持に重要で、その働きは食習慣、口腔内細菌、胃酸、腸内細菌叢等多くの習慣的、生理的要因の影響を受けることが示されています。更にその作用は、食品や医薬品との相互作用によって修飾されることも報告されており、食事や生活習慣がNOを介して健康と結びついていることがわかってきました。一方、有益な効果以外にも、特定の生理学的条件下では発がん物質の原因ともなります。この特集号では、読者との議論を通して食事からの硝酸塩と健康に関する新しい知見や包括的な解説を提供したいと考えています。オリジナルの論文や総説を募集し、これからの研究アプローチや健康維持戦略に繋げたいと思います。
城西大学薬学部医療栄養学科
(管理栄養士養成課程)
教授 小林 順(医師)
(管理栄養士養成課程)
教授 小林 順(医師)