006_スポーツ貧血って、ご存知ですか?
スポーツ貧血というものをご存知でしょうか。貧血自体は誰しも経験したことがあるかもしれません。座っている状態から急に立ち上がった際に、クラクラっと目が眩むような感覚が正に貧血症状。カラダを鍛えているスポーツ選手にも起こり得る現象なのです。
貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少した状態を指します。ヘモグロビンは、赤血球の中に含まれる赤い色素で鉄と結合しており、肺で酸素を取り込み、体の隅々まで運ぶ機能を持っています。つまり、ヘモグロビンが減少=貧血=体内に酸素が十分行き届いていない状態となります。
また、体内の鉄は、ヘモグロビン以外にも肝臓や脾臓に貯蔵鉄(フェリチン)として存在しています。
貧血とは、血液中のヘモグロビンが減少した状態を指します。ヘモグロビンは、赤血球の中に含まれる赤い色素で鉄と結合しており、肺で酸素を取り込み、体の隅々まで運ぶ機能を持っています。つまり、ヘモグロビンが減少=貧血=体内に酸素が十分行き届いていない状態となります。
また、体内の鉄は、ヘモグロビン以外にも肝臓や脾臓に貯蔵鉄(フェリチン)として存在しています。
鉄欠乏性貧血と溶血性貧血
スポーツ貧血の中には、①鉄欠乏性貧血、②溶血性貧血があります。
①鉄欠乏性貧血の原因は、鉄摂取不足、鉄吸収の低下、消化管出血・血尿・発汗、月経などによる鉄喪失が挙げられます。特に、動きの激しいスポーツにおいて大量の発汗を伴い、1時間に2~3L発汗する場合には、鉄も1~2mg損失されることもあります。
②溶血性貧血の原因は、足底部の持続的・機械的衝撃による赤血球破壊、代謝性アシドーシスがあります。マラソンなど長時間走り続けるアスリートは、たくさん大地を蹴ることになります。その際、大地との接着面である足の裏は常に強い負荷がかかっています。この状態が続くと、足の裏を流れる血液に含まれている赤血球が破壊されてしまい、結果的にスポーツ貧血として症状が現れてしまいます(図1)。
①鉄欠乏性貧血の原因は、鉄摂取不足、鉄吸収の低下、消化管出血・血尿・発汗、月経などによる鉄喪失が挙げられます。特に、動きの激しいスポーツにおいて大量の発汗を伴い、1時間に2~3L発汗する場合には、鉄も1~2mg損失されることもあります。
②溶血性貧血の原因は、足底部の持続的・機械的衝撃による赤血球破壊、代謝性アシドーシスがあります。マラソンなど長時間走り続けるアスリートは、たくさん大地を蹴ることになります。その際、大地との接着面である足の裏は常に強い負荷がかかっています。この状態が続くと、足の裏を流れる血液に含まれている赤血球が破壊されてしまい、結果的にスポーツ貧血として症状が現れてしまいます(図1)。
貧血症状の予防
貧血症状を予防するためには、ヘモグロビンの材料となる鉄分とたんぱく質を積極的に摂取する必要があります。鉄分の多い食品としては、動物の肉(レバー、牛赤身など)・赤身の魚(マグロ、カツオなど)・色の濃い野菜や海藻類(小松菜、ホウレンソウ、ひじきなど)・大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)が挙げられます。さらに、動物性食品と植物性食品に含まれている鉄分はそれぞれヘム鉄と非ヘム鉄と呼ばれており、ヘム鉄の方が体に吸収されやすいことが知られています。また、鉄の吸収を高めるために、ビタミンC(色の濃い野菜や果物)も合わせて摂取することで、効率よく鉄分を補給することができます。反対に鉄の吸収を阻害する食品も知っておく必要があります。緑茶やコーヒー、紅茶に含まれるタンニンには、鉄の吸収を阻害する働きがあります。上記の飲料を飲みたい方は、食後30分ほど時間を空けてから飲むほうが良いでしょう。また、加工食品や清涼飲料水などに含まれているリンも鉄の吸収を妨げることが知られています。サプリメントによる鉄の補給も一つの手です。普段の食事で取りきれない鉄分を補給するには、サプリメントは有効ですが、あくまで普段の食事の補助的な役割として利用することをオススメします。
貧血の薬物治療として、鉄剤がよく用いられます。しかし、貧血の改善には2-3ヶ月程度かかります(赤血球の寿命は120日程度あるため、入れ替わりに時間がかかる)。そのため、普段の食事において貧血を防ぐ事がとても重要となります。なお、治療の一種として、鉄剤の静脈内注射もあります。これに関しては、スポーツ庁より、2019年1月に通達がありますので、下記のリンクからご覧下さい。
不適切な鉄剤静脈内注射の防止について
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/hakusho/nc/1412652.htm
貧血の薬物治療として、鉄剤がよく用いられます。しかし、貧血の改善には2-3ヶ月程度かかります(赤血球の寿命は120日程度あるため、入れ替わりに時間がかかる)。そのため、普段の食事において貧血を防ぐ事がとても重要となります。なお、治療の一種として、鉄剤の静脈内注射もあります。これに関しては、スポーツ庁より、2019年1月に通達がありますので、下記のリンクからご覧下さい。
不適切な鉄剤静脈内注射の防止について
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/hakusho/nc/1412652.htm
特設エリアのタイトル
関口 祐介 助教(栄養教育学研究室)