017_コラーゲンはカラダの基盤!! コラーゲンの役割からコラーゲンサポートお菓子まで紹介!
今回は、皆さんの体に欠かせないタンパク質の一つ「コラーゲン」について、その役割とコラーゲンの合成をサポートする食材・レシピの紹介をしていきます。
コラーゲンはカラダのどこにある?
人間のカラダの約60%は水分でできています。その次に多いのがタンパク質で、体重の約20%を占めています。カラダ全体のタンパク質のうち、なんと30%がコラーゲンで構成されています1)。重量にすると体重50kgの人では約3kgがコラーゲンという計算になります。コラーゲンは皮膚に一番多く存在していて、全コラーゲンの約40%を占めています。次に骨、軟骨で全コラーゲンの約10~20%。そのほか、血管や内臓にも存在します。
骨、靭帯や腱の怪我の回復にはコラーゲンの合成が鍵
アスリートやスポーツに怪我はつきもの。予防することが重要ですが、怪我をしてしまったらそこからいかに早く治せるかが鍵になります。コラーゲンの多い骨や靭帯、腱などの怪我では、組織のコラーゲンがダメージを受けている状態になります。コラーゲンの合成を促すことは怪我の回復に役立ちます。
コラーゲンの合成を高める良き相棒「ビタミンC・鉄」
コラーゲンに多く含まれる「プロリン」というアミノ酸が「ヒドロキシプロリン」に変換されることで、コラーゲンの構造が安定化し、水分を保持することができます。このヒドロキシプロリンを作り出す際の酵素が働くために「ビタミンC」が必要になります。
ビタミンCが不足することで出血やひどい場合は死に至る「壊血病」という病気があります。ビタミンC不足によって、血管を構成するコラーゲンの合成ができず、出血を引き起こしてしまいます。大航海時代の船乗りたちは、長い航海の中でフレッシュな果物などビタミンCが豊富な食品を取ることができず「壊血病」に悩まされたといいます。漫画『ワンピース』でも壊血病の描写があり、ライムの絞り汁を飲ませて回復させています2)。コラーゲンを合成する際にビタミンCが足りている必要があります。また、ヒドロキシプロリンをつくり出す酵素には、ビタミンCと一緒に「鉄」も使われます。カラダの中のコラーゲン合成を考えた場合、ビタミンCと鉄分も意識して摂ることも心がけたいですね。
ビタミンCが不足することで出血やひどい場合は死に至る「壊血病」という病気があります。ビタミンC不足によって、血管を構成するコラーゲンの合成ができず、出血を引き起こしてしまいます。大航海時代の船乗りたちは、長い航海の中でフレッシュな果物などビタミンCが豊富な食品を取ることができず「壊血病」に悩まされたといいます。漫画『ワンピース』でも壊血病の描写があり、ライムの絞り汁を飲ませて回復させています2)。コラーゲンを合成する際にビタミンCが足りている必要があります。また、ヒドロキシプロリンをつくり出す酵素には、ビタミンCと一緒に「鉄」も使われます。カラダの中のコラーゲン合成を考えた場合、ビタミンCと鉄分も意識して摂ることも心がけたいですね。
コラーゲンの合成を高めてくれる「コラーゲンペプチド」
コラーゲンを吸収しやすい細かい分子に酵素処理した「コラーゲンペプチド」が骨や皮膚の細胞のコラーゲン合成を高めることが近年報告されています。コラーゲンペプチドは、プロリンやヒドロキシプロリンといった特殊なアミノ酸を有するペプチドが多く含まれるため、体内の消化管で分解されにくく、アミノ酸にまで分解されることなく、「ペプチド」の形のままカラダに吸収されます。吸収され組織に届いたコラーゲンペプチドは、骨や軟骨の細胞に指令を出し、コラーゲン合成を高めさせます3 – 5)。コラーゲンを分解してできる「コラーゲンペプチド」も、ビタミンCと鉄分と合わせて摂取すると良いですね。
コラーゲンサポート食材
コラーゲンの合成を助けるビタミンCや鉄、コラーゲンペプチドが含まれる食品は「コラーゲンサポート食材」といえます。ここではコラーゲンサポート食材をご紹介します。
ビタミンCは葉っぱから!?
ビタミンC=果物とイメージされるかも知れません。もちろん果物全般に多く含まれていますが、意外と野菜にも多く含まれます。覚えておきたいのは、野菜の「根」に比べて「葉」の部分にビタミンCが多く含まれるということです。大根でいえば白い根の部分と合わせて葉も一緒に食べることで野菜のビタミンCを余すことなく摂取できます。
鉄分は豆から!?
鉄分=レバーのイメージでしょうか?鉄は、動物の肝臓に限らず肉類や貝類に多く含まれています。レバーが苦手という方も、豚肉や魚からも摂ることができます。植物性食品では、大豆もオススメです。豆腐や納豆、豆乳など大豆食品から摂取できます。動物性食品に比べて、大豆などの植物性食品に含まれる鉄は吸収されにくいので、鉄の吸収を促す「ビタミンC」も一緒に摂ると良いです。
コラーゲンは魚とゼラチンから
コラーゲンペプチドは、コラーゲンを分解して作られます。食品に含まれるコラーゲンを摂ることで消化管内で「コラーゲンペプチド」を作り出し吸収することができます。コラーゲンは、魚の皮や骨、鶏皮などに多く含まれます。頭から尻尾まで丸ごと1匹食べられるししゃもやワカサギなどの小魚は、コラーゲンをはじめ、カルシウムやビタミンなども摂取できるおすすめのコラーゲンサポート食材です。
ゼラチンは、動物の体内のコラーゲンを加熱して、抽出・精製したものです。ゼラチンコラーゲンサポート食材と言えます。市販のゼリーでは、海藻などに含まれる多糖類を使ってゲル化している商品も多いので、ゼラチンを使ってゼリーやレアチーズケーキなどを手作りしてみるのもおすすめです。
ゼラチンは、動物の体内のコラーゲンを加熱して、抽出・精製したものです。ゼラチンコラーゲンサポート食材と言えます。市販のゼリーでは、海藻などに含まれる多糖類を使ってゲル化している商品も多いので、ゼラチンを使ってゼリーやレアチーズケーキなどを手作りしてみるのもおすすめです。
ケーキでコラーゲン補給!?コラーゲンサポートお菓子
ゼラチンを使って焼かずに冷やし固める「レアチーズケーキ」は、コラーゲンを摂取できるお菓子です。さらに、デコレーションのフルーツでビタミンC、豆乳を使えば鉄分も補給できる理想的な「コラーゲンサポートお菓子」といえます!今回はコラーゲンサポートレアチーズケーキのレシピをご紹介します。
【レシピ】ケーキでコラーゲン補給!?コラーゲンサポートレアチーズケーキ
【材料】
15cmのケーキ型
クリームチーズ…200g
プレーンヨーグルト…150g
生クリーム…50cc
豆乳…50cc
砂糖…70g
レモン汁…大さじ1
粉ゼラチン…10g
水(ゼラチン用)…大さじ2
マリービスケット…80g
バター…30g
ブルーベリー…乗せられるだけ
【作り方】
①【前日】ヨーグルトはキッチンペーパーを敷いたザルに入れ、冷蔵庫で一晩水切りをする。
②クリームチーズを室温で柔らかくしておく。
③粉ゼラチンをふやかしておく。
④ビスケットを袋に入れてめん棒で叩いて細かく砕く。
⑤④に電子レンジで溶かしたバターを加え、よく揉む。
⑥クッキングシートを敷いた型に③を敷き詰め冷蔵庫で冷やし固める。
⑦ボウルにクリームチーズと砂糖を入れて滑らかになるまで泡立て器で混ぜ合わせる。
⑧⑦にヨーグルト、生クリーム、豆乳、レモン汁、ゼラチンの順で入れ、材料を入れるたびに泡立て器でよく混ぜ合わせる。
⑨冷蔵庫から型を取り出し、ブルーベリージャムを全体に塗る。
⑩その上に⑧を流し入れる。
⑪流し入れた生地の上にブルーベリーを敷き詰める。
⑫冷蔵庫で2~3時間冷やして固める。
⑬冷やし固まったら、型からはずしてお皿に移して完成!
医療栄養学科のクックパッドでも「コラーゲンサポートレアチーズケーキ」のレシピ公開中!!
【材料】
15cmのケーキ型
クリームチーズ…200g
プレーンヨーグルト…150g
生クリーム…50cc
豆乳…50cc
砂糖…70g
レモン汁…大さじ1
粉ゼラチン…10g
水(ゼラチン用)…大さじ2
マリービスケット…80g
バター…30g
ブルーベリー…乗せられるだけ
【作り方】
①【前日】ヨーグルトはキッチンペーパーを敷いたザルに入れ、冷蔵庫で一晩水切りをする。
②クリームチーズを室温で柔らかくしておく。
③粉ゼラチンをふやかしておく。
④ビスケットを袋に入れてめん棒で叩いて細かく砕く。
⑤④に電子レンジで溶かしたバターを加え、よく揉む。
⑥クッキングシートを敷いた型に③を敷き詰め冷蔵庫で冷やし固める。
⑦ボウルにクリームチーズと砂糖を入れて滑らかになるまで泡立て器で混ぜ合わせる。
⑧⑦にヨーグルト、生クリーム、豆乳、レモン汁、ゼラチンの順で入れ、材料を入れるたびに泡立て器でよく混ぜ合わせる。
⑨冷蔵庫から型を取り出し、ブルーベリージャムを全体に塗る。
⑩その上に⑧を流し入れる。
⑪流し入れた生地の上にブルーベリーを敷き詰める。
⑫冷蔵庫で2~3時間冷やして固める。
⑬冷やし固まったら、型からはずしてお皿に移して完成!
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おわりに
今回は、体を支えるタンパク質「コラーゲン」について、その役割とコラーゲン合成をサポートする食材・レシピの紹介をしました。スポーツや運動をする方は、コラーゲンを意識した食事も心がけてみてくださいね。
参考文献)
1)Gloria A. Di Lullo. et al., Mapping the Ligand-binding Sites and Disease-associated Mutations on the Most Abundant Protein in the Human, Type I Collagen. J. Biol. Chem., 277, 4223–4231, (2002)
2)尾田栄一郎:ONE PIECE, 集英社, 5巻 (1998)
3)Steffen Oesser et al., Oral Administration of 14C Labeled Gelatin Hydrolysate Leads to an Accumulation of Radioactivity in Cartilage of Mice (C57/BL). J. Nutr., 129, 1891–1895 (1999)
4)Y. Kimira et al., Collagen-derived dipeptide prolyl-hydroxyproline promotes differentiation of MC3T3-E1 osteoblastic cells., Biochem. Biophys. Res. Commun., 453, 498 (2014)
5)S. Nakatani et al., Chondroprotective effect of the bioactive peptide prolyl-hydroxyproline in mouse articular cartilage in vitro and in vivo., Osteoarthritis Cartilage, 17, 1620 (2009)
参考文献)
1)Gloria A. Di Lullo. et al., Mapping the Ligand-binding Sites and Disease-associated Mutations on the Most Abundant Protein in the Human, Type I Collagen. J. Biol. Chem., 277, 4223–4231, (2002)
2)尾田栄一郎:ONE PIECE, 集英社, 5巻 (1998)
3)Steffen Oesser et al., Oral Administration of 14C Labeled Gelatin Hydrolysate Leads to an Accumulation of Radioactivity in Cartilage of Mice (C57/BL). J. Nutr., 129, 1891–1895 (1999)
4)Y. Kimira et al., Collagen-derived dipeptide prolyl-hydroxyproline promotes differentiation of MC3T3-E1 osteoblastic cells., Biochem. Biophys. Res. Commun., 453, 498 (2014)
5)S. Nakatani et al., Chondroprotective effect of the bioactive peptide prolyl-hydroxyproline in mouse articular cartilage in vitro and in vivo., Osteoarthritis Cartilage, 17, 1620 (2009)
今回の執筆者
君羅 好史 准教授(食品機能学研究室)
研究室紹介ページURLhttps://www.josai.ac.jp/education/pharmacy/nutrition_dep/laboratory/syokuhinkinou.html
ハッシュタグ
https://lab.naninaru.net/seminar/U25800/josai_pharmacy_mano
君羅のTwitter
https://twitter.com/YKimira
研究室紹介ページURLhttps://www.josai.ac.jp/education/pharmacy/nutrition_dep/laboratory/syokuhinkinou.html
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